恋愛短編集
第2章 ヤンデレな彼女
「はい…もしもし」
『あっ先輩』
日比野は外にいるのだろう。
運動部の掛け声が隙間から聞こえてくる。
そんな中で日比野の声は震えていた。
まるで怯えているように…
『あの、今、校門なんですけど』
「うん」
『沙綾先輩、校門で待ってますよ』
そこか!!!!!!
よかった!勝手に帰って怒られるよりマシだ。
日比野様様である。
しかし…なんでそんな所で待ってんだ?
ま、とにかく早く行くか!
俺は荷物を持って、再び部室を出ようとした。
『ただ…』
そこで携帯から聞こえる日比野の声。
さっきより震えていた。
『私…逃げてもいいですか?』