恋愛短編集
第2章 ヤンデレな彼女
『先輩、早く来てください!恐すぎて無理です!!』
日比野は泣きそうな声だった。
泣きたいのはこっちだ。
なんでそんなことになってんだ…
とりあえず、日比野には早く帰るように促し、電話を切った。
「沙綾ちゃんどうだった?」
最早、沙綾の話なのは分かりきっているようだ。
俺はゼッケンに今の話を伝えた。
「ミッツ…それ、早く行かないとまずくないか?」
「だよな…」
でも、行きたくなかった。
誰が悪魔や鬼に喜んで会いに行くだろう。
いや、悪魔や鬼なら可愛いものだ。
今行ったら、呪い殺されそうだ。