恋愛短編集
第4章 反対側のキスマーク
「ちょ、痛いって!」
「ぅ、うるさいっ!!///早く出てってよ!!!///」
そんな私を朗は楽しげに笑う。
大人ってこんなに余裕なのか…。
悔しすぎる!
「詩織」
不意に朗が真剣な声で私を呼んだ。
そして私の首の左側に顔を埋めた。
ピリッ
「っつ―!」
「ごめんね、痛かった?」
朗は申し訳なさそうな顔で謝った。
「…なにしたの?」
「俺のって印」
そう言うと朗は鏡で見せてくれた。
鏡を覗くと私の首の左側に赤い印がついていた。
自分だけじゃ見えなくて、服を着たら見えなくなるような位置。
何だかすごく…すごく幸せだった。