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恋愛短編集

第4章 反対側のキスマーク

時は流れて、2年後―。

私は地元私立大学の2年生になった。

高校生の頃は早く大学生になりたかったけど、なったらなったでどうってことない。

だって、あの頃と変わったことなんてあまりないもの。

昔からのバイト先も、クールって言われる見た目も、本当は誰かに甘えたいって中身も変わってない。

変わったことと言えば―


「詩織せんぱ~いっ」


またか…


誰だか分かりきっているけど、私は呼ばれた方に顔を向ける。

よく私が分かったなというくらい遠くから、彼がかけてくる。

やがて彼は私の元に辿り着き、息をきらしてキラキラした顔を私に向けた。


「おはようございますっ!」

「おはよ、駿君。どうしたの?」


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