恋愛短編集
第4章 反対側のキスマーク
駿君は同じサークルの後輩だ。
なかなかのイケメンで、人懐っこくて猫みたい。
そんなんだから、サークル内外の女の子達にモテモテである。
でも彼女はいない。
理由は私―。
「なんにもです!先輩を見つけたから、挨拶しようかと…」
「…元気だね」
「光栄です!」
こんな風に駿君は私を見かけると、まるで飼い主の元に走る子犬の様に挨拶しにくる。
しかも毎日欠かさずに。
…流石にね、ここまでくれば分かるよ。
友達にだって散々言われるもの。
「先輩、来週の合宿来ますか?」
「うん、一応ね」
「やった!先輩の水着ぃ~」
大喜びする駿君。
思わず苦笑いして、ため息をついてしまう私。