恋愛短編集
第4章 反対側のキスマーク
来週末は夏合宿、という名のサークル日帰り旅行だ。
行き先はどっかの海水浴場で、サークルの皆で泳ぎに行く。
私も参加するのだが、駿君のこの反応はとてつもなく不安である。
私はどっからどうみても、駿君に恋愛の意味で好かれているのだ。
それはもう誰からでも分かるくらいに。
しかも噂ではこの旅行で私に告白するらしい。
今まで、彼の口からその言葉を聞いたことはない。
でも、分かってしまう。
態度で見え見えだ。
私、彼氏いるって散々話してるんだけどな…
どうして駿君はここまで好きでいてくれるんだろう。
そう―
私はまだ朗と付き合ってる。
まだ。