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恋愛短編集

第4章 反対側のキスマーク

着替え終わった後、私は朝食を食べるためにリビングへと向かう。

扉の向こうから漂う美味しそうな香り。


これはフレンチトーストかな…?


そう思いながら扉を開く。

テーブルの上を見ると案の定、フレンチトーストだった。


「さ、食べよう」

「…ん」


私はまた微妙な返事をして席に着く。

そして手をあわせてフレンチトーストにかぶりついた。

私が食べ始めると朗も食べ始める。


むしゃむしゃ…ごっくん。


しばらく食べる音だけがリビングに響く。

いつものことだ…会話がないのは。

昔はそれでも朗とご飯を食べるだけで幸せだったが、今じゃこの空気に耐えられない。

だから毎回、私から話を切り出す。

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