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恋愛短編集

第4章 反対側のキスマーク

「ねぇ、朗」

「うん?どうした?」

「来週末、サークルの皆で海に行くんだ」

「そうなんだ。いってらっしゃい」


いってらっしゃいって…

別に「行くな」なんて言って欲しくないけど、もうちょっとないの?


私は少しイラッとしたので、更に言葉を紡ぐ。


「噂だと私、そこで告白されるんだよ」


一瞬だけ朗の手が止まった。

でも本当に一瞬だけ。

見間違えたんじゃないかってくらいだ。

朗は「へ~」と言いながら、特に気にした様子もなく食べ続けた。


何さ…心配じゃないの?

自分の彼女が告白されるんだよ?

そんなに自信満々な訳?


それとも…



私のこと、どうでもいいの?

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