
恋愛短編集
第4章 反対側のキスマーク
なにさ…
なにさ、なにさ、なにさ!
私のことなんて、どうでもいいんでしょ?!
気にもしてないんでしょ?!
だったらもう振ってよ。
思いっきり嫌ってよ!
無意味な愛情なんか与えないでよ!!
期待しちゃうじゃんか…
昔みたいに幸せな気分になれるって思っちゃうじゃんか…
家に着くなり私は乱暴に扉を開け、自室のベッドに倒れ込んだ。
幸い、家族は皆、外出しているようで、誰もいない。
だから気にされることもない。
それでも大声を出すことはなく、必死に嗚咽を隠しながら泣いた。
そのままいつの間にか眠ってしまった。
