
恋愛短編集
第4章 反対側のキスマーク
そんな状態で、遂に夏合宿を迎えた。
あの日以来、朗とは会ってない。
連絡も殆ど来ていなくて、唯一、昨日の夜中に電話があったようだが私は寝てしまっていた。
そして、かけなおさなかった。
今更、連絡してきた朗の心情が分からない。
私はその電話に悲しさと苛つきを覚え、放置したのである。
もう朗のことは放っておいて、せっかくの海だから楽しもうと張り切って来たのだが…
更衣室で水着を取り出して、思わず止まってしまう。
持ってきたのは、もちろんあの水着。
決心して持ってきた筈なのに、ここに来てまた悩んでしまう。
もう…どうにでもなれ!!
結局、私は勢いに任せて着替えた。
