
恋愛短編集
第4章 反対側のキスマーク
「好きです!彼氏さんと別れて付き合ってくれませんか?」
駿君は私を見つめながら叫んだ。
人気の無いところでよかった。
周りに人がいたら、恥ずかしくて仕方がない。
でも、駿君は真剣なんだよね…
こんな私でも好きになってくれたんだよね。
それは…凄く嬉しい。
「ありがとう。でも、ごめんね」
あぁ…そんなに目に見えるほどがっかりしないで。
出来る訳ないじゃない、別れるなんて。
私はこんなにも朗のことが大好きなのに―。
たとえ朗が振り向いてくれないとしても…
「やっぱ、彼氏さんのこと、好きなんですか?」
私は申し訳ないとは思ったが、小さく、だがはっきりと頷いた。
