
恋愛短編集
第4章 反対側のキスマーク
日が暮れて来ると、友人が探しに来てくれた。
「大丈夫?」と聞かれたけれど、私は黙って頷く。
端から見たら絶対大丈夫そうには見えないだろうけど、それでも放っておいてくれた。
その優しさに感謝である。
そして帰りのバス。
2人掛けの席に1人で座って、私は窓の外を眺めていた。
すると―
ブブブ…ブブブ…
カバンの中で携帯が振動している。
取り出して表示を見ると、メールだった。
差出人は―
朗
えっ―…?
なんで朗……?
慌ててメールを開く。
『夜、俺の部屋に来て』
こんな"来て"なんてメール、初めてだ。
いつもは"おいでよ"とか"来ない?"とかなのに…
凄く嫌な予感がする…
