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恋愛短編集

第4章 反対側のキスマーク


「ごめんね………ごめんね…朗……」


両手で自分の目を押さえるけど、涙は止まらない。

そのせいで声もきちんと出てくれない。

それでもここで伝えなきゃ。

事実も私の気持ちも―。

じゃないと本当に終わっちゃう…


「この印はね…今日告白してきた、後輩につけられたの……」


朗からの返事はない。

それでも私は続ける。


「でもね……ちゃんと断ったんだよ…?私が好きなのは…大好きなのは…朗だけなんだよ…………?」


伝えた。

ちゃんと伝えたよ。

だから答えて。

朗の本当の気持ちを教えて?

さっきの言葉…もう1回言って?

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