恋愛短編集
第4章 反対側のキスマーク
「そりゃそうだけど…告白されるかもって言っても反応無かったし」
「いや…だって……告白されたら嬉しいもんじゃないの?」
そりゃ嬉しいけどさ!
彼女が告白されるのはいいの?!
なびいちゃうかもしれないんだよ?!
「でも何の反応もないのは悲しいよ…」
すると朗は握っていた私の手にキスをくれた。
そしてちょっとだけ悲しそうに笑う。
「ごめん…。そういうのにぐちぐち言うのって嫌かなと思って」
若干俯きながら朗は続ける。
「詩織、だいぶ大人っぽくなって綺麗になったから…大人の恋にした方が喜ぶかなと思って…さ」
私はそばにあった枕を思いっきり朗に投げつけた。