恋愛短編集
第4章 反対側のキスマーク
「ちょっ、俺、真剣なんだけど?!」
「朗の馬鹿っ!!」
バンッ―…バンッ―…
何度も何度も枕を投げつける。
鈍い音と共に埃が舞い上がる。
「大人の恋ってなに?!冷たくするのがそれな訳?!」
「違うって!!あんまりイチャイチャするのは嫌かなって思って…詩織そういうの嫌でしょ?」
何度も何度も投げつける枕を私から奪い取り、朗は尋ねた。
私はぶつけられる物がなくなって、バツが悪くなりそっぽを向く。
「何で嫌だと思うの?昔は…イチャイチャしたじゃん」
言っててちょっと恥ずかしくなる。
朗の顔、見てなくてよかった。
「それは昔でしょ?詩織、変わったし…」
…私が変わった?