恋愛短編集
第4章 反対側のキスマーク
「だって、凄く綺麗になったし、着てる服も大人っぽくなった。身体も…綺麗になったよ」
思わず朗を見る。
朗の顔は真っ赤だった。
その顔に思わずきゅんとなる。
だから思わず抱きついてしまった。
「えっ…詩織?」
そうだよね…自分じゃ分からなかったけど、私も変わってるんだよね。
朗だけが変わってるなんてことないんだよね。
でもね、その変化は全部朗の為なんだよ。
朗に追いつきたくて頑張った成果なんだよ。
あとね…
「中身はなんにも変わってないよ」
だから
「もっと私を愛して」
私は顔を上げて、自分でも分かるくらいの飛びっきりの笑顔を朗に向けた。
大人なんかじゃなくていい。
朗が愛してくれるなら、子供でいいもの―。