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理想の男の子

第8章 昼

「678円です」

店員さんがそう言った

私はうつむき、男の人はいつのまにか

私の肩に手を回している

「ありがとうございました」

ぜんっぜんありがとうっていう雰囲気

じゃ無いんですけど…

「あの…」

「あぁ、これね。はいどうぞ」

笑顔でお弁当とお茶が入った袋を

差し出す。私は受けとる。

「えっと…では…ありがとうござ…」

「お話しよっか♪」

「はい…」

そのまま私達は近くの喫茶店に入る

はやく帰りたい…

それだけ考えていた私は

周りを全然見ていなかった


まだ私の肩にある男の人の手

振り払おうとするけど勇気が出ない…

「あの…時間が…」

「少しだけだから ね?」

「はい…」

少しだけならいいかなと思い

話をするのを受け入れた

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