テキストサイズ

同じ場所~君と僕の見ている風景~

第13章 その日

ドアを開けると

「わりぃ。遅くなって。」

と、言いながら、部屋に入って来た。


「ううん。もっと遅いかと思った。」

「巻で来ましたよ~って、化粧してんじゃん?めずらしー」

そうだよね。キミと逢うときは、大抵素っぴんだった。
だって、家でしか逢わなかったし…


なにより、キミが素っぴんが好き
だと言ってくれたから…


キミは、ベットに腰を下ろした。


あたしは、何となくソファーに座った。

「こっち来ねーの?」

って、ベットをポンポンと叩く。

あたしは、黙ってベットに近づく


キミは勢い良く、あたしの腕を掴んで引き寄せた。

キミの匂いだ。


キミはあたしをギュッと抱き締め


「ごめんな。」

って、呟いた。


泣いちゃ……


駄目だ!

「一人にさせて…ごめん…」

あたしは、慌ててキミから離れて

「何か飲む~?」

と、冷蔵庫に向かった。

だって

キミが…

泣きそうな気がしたから…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ