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同じ場所~君と僕の見ている風景~

第5章 大人の事情

事務所に着くとそのまま会議室に連れていかれた。

社長が待ってた。

「座りなさい。」

穏やかな声で言われた。

椅子に座って社長と向かい合う。

他にも数人事務所の人間がいる。

コンコン

部屋がノックされる

「失礼します。」

専務だ。

あたしをスカウトして、この世界に連れて来てくれた人。

申し訳なさすぎて顔が見れない。

犯罪でも犯した気分だ。

いや、犯罪なんだろうな。
清純派で売り出されたあたしにはスキャンダルは………

犯罪だ。

専務が社長の隣に座った。

「まず、翔くんとの関係は?」

「……………………」

「会社は美保を守る。必ず!だから嘘は着くな。君はうちの大切なタレントだ。正直に聞かれた事を話しなさい」

ずっと支えて来てくれた専務の言葉に

重い口を開いた

「お付き合いしてます。」

「うん。いつから?」

「2年ぐらいです」

「そんなに?!良く今までバレずにいたな~あの部屋はいつから?」


「付き合って直ぐにです」

「名義は?翔くん?」

「………はい。」

涙が…落ちた…

この瞬間からあの部屋はもう、二人だけの場所じゃなくなった。

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