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同じ場所~君と僕の見ている風景~

第6章 初めての日

帰りのロケバスで一番後ろの席で仕事の資料に目を通していると

美保が来て

「今日何かすいませんでした。」って顔を赤くするから。

「あ、いや、俺こそ何か変な空気にしちゃって…」

「嬉しかったです。」

「あーうん。じゃあ良かったー」

もう、意味わかんないふわふわした会話をしてた。

勢いで

「座りなよ。」
って言った。美保は
「へへっ」とか言いながら隣に座った。

一番後ろの席から三列くらいはだれも座ってなかった。

あいばちゃんも爆睡してた。


俺が資料に目を通していると美保はうとうとしてた。

今しかない。


気持ちが…伝えたい…


もう、いいや!バカなふりして

手をにぎった。

美保はハッとなって俺を見たんだよね。

俺は知らん顔して窓の外を見ていた。

美保が「ふふ。」って笑って

にぎった手に少し力入れてにぎり返してきた。

この時から…二人の時間は動いたんだ。

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