なんやかんやでモテる主人公
第5章 ありきたりな先生
「……じょうさん……おじょうさん」
ハッ!
気がつくと私の顔の前には綺麗に整った顔立ちの男性がいた。
少し寝ぼけいるのか…それとも見とれているのか分からなかったけど、ボーっと自分の世界に入ってしまっていた。
「えっと…終点ですよ?」
あっ!!!
早く行かなきゃ…!私待たせてるんだった…!!
「あの…!起こしていただいてありがとうございます……!」
深々と頭を下げて電車を降りようとすると…
「え?南ちゃんだよね?」
「ふへっ?」
カアァァァァ……//
恥ずかしい声でちゃったし……。
何かこの人の前だと…調子狂いまくりだ…
ってか何でこの人…私の事……
「ぶっ……(笑)君。健介の妹でしょ(笑)?想像どうり面白い子だね?(笑)」
お腹を押さえてクククっと笑う、黒髪に黒縁メガネにそして白衣を着ている男の人。
って。白衣!!!???って事は?!
「はじめまして。清水です。あれ?お兄さんから聞いてなかった?(笑)」
やっぱりいいいいいいいいいいいい←
私の想像していた人とは全くの別人だった。
お兄ちゃんにこんなカッコイイ友達がいたなんて……。
「君は自分の世界に入るクセがあるようだね(笑)?ここから近いし歩いて行こうか」
「は…はいっ」
ズバリ当てられてしまい何だか恥ずかしくなった……
でもどうして電車まで来てくれたんだろう。
どうして電車の中にいるって分かったんだろう。
…どうして私って分かったんだろう…。
彼と私の出会いはこんな風に不思議なまま始まったのだった。