なんやかんやでモテる主人公
第7章 ありきたりな気持ち
コトッ……
「ココアで良かった?」
コクっと頷くと、先生は私から顔を逸らし、自分のマグカップへと視線をうつした。
「飲まないの?さめちゃうよ?」
私が無反応だったのに腹がたったのか、先生はいきなり私の鎖骨に指を触れた。
ビクッ……
「いきなり…っ「なーんだ。結局ヤられてんじゃん」
先生が触れた先は、紛れもなく彼がつけたキスマークの場所で……
「彼も大胆だね。こんな所につけて」
そしてその手は移動して、私の首へと手を回した。
「えっ……ちょっと……」
「ネックレス…つけてくれてないんだ」
少し寂しそうに笑いながらも、彼は私から手をはなした。
「……私なんかが…つけていちゃ…ダメなんです…」
そう言って、私は胸ポケットに入っている小さなハートのネックレスを先生の前に置いた。
「え?彼氏が戻ってきてくれたから用なしみたいな感じ?」
微笑を浮かべるが目があきらかに笑っていなかった。
「君も都合がいいんだね」