なんやかんやでモテる主人公
第9章 ありきたりな温もり
AM6:25
そろそろ太陽が明るくなりはじめた。
あれから…どの位たっただろう…
私はまだ抱きしめてくれている
ゆうの肩を持ち、ゆうの顔を見るようにはなした。
ゆうの顔は、鼻と耳が少し赤くなっていて…白い顔の彼をさらに映えさせた。
「お前……涙の跡ついてる」
私の頬に触れる冷たい手
「ははっ………やっぱ…とれねーわ(笑)」
笑ってくれてる……
久しぶりに向けられる、彼の笑顔は
私の頬を赤く染めた。
「ゆう…ごめんね?」
「何回謝んだよ。許さねえって‥」
「ゆ…許してくれないと……私っ…死ぬ!!」
「どーぞ?ご勝手に?」
へへって笑う彼は無邪気で
先生とは全く違った笑い方をした。
「もー知らない!」
って…私が悪いんだけど(笑)
そう言ってベンチから立つと、彼はもう一度…私を抱きしめた。
「こうさせねーと許さねー」
ぎゅっ……
「………バカ」
ぎゅぅっー‥
「バカはお前だけだ。バカ南」