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♡Hなアパート生活♡

第19章 隠し事

陽の部屋のチャイムを鳴らす。

ガチャッ…

陽がドアを開けた。



「なに」
「聞きたいことがあるの…」
「……入れば」



あいかわらず無愛想なやつ。

でも陽なら何か知ってるような気がする。




机のそばに座る。陽も膝をたてて座る。顔はテレビの方を向いていて無言だ。なんだか気まずい…

でも、私は思い切って口を開いた。



「あのさ、私、今日渚見たの」
「へぇ」
「……ひとりで、ラブホに入っていくところ見たの」



恐る恐る、陽の方を見る。

変わらずテレビの方を向いているから、表情は分からない。




「駅前の、ちょっとガラの悪い通りあるじゃない?このあいだも渚、バイトだって言ってたのに、そこをひとりで歩いてたんだよ」




………………沈黙。

陽は何も言わない。




「………陽?」
「だから?だからなんなの?」
「え…渚はなにか隠してることがあるんじゃないかと思って…」

「それで何が知りたいわけ?知ってどうすんの?
隠し事があったらいけないのかよ」

「…そういうわけじゃないけど…」

「じゃほっとけよ。好奇心でなんでも詮索しようとすんな。俺、そういうの嫌いだから」





カァァッ…





なんだか自分がいやらしい野次馬なような気がして、恥ずかしくなった。

あの渚が言いたくないなら、それはきっと理由のあることなんだ。

それを私は…こうして陽から聞き出そうとして…なにやってるんだろう。

陽が言ったことは正しい……





「………ごめん」





なんだか泣きたいような気持ちになってうつむいた。

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