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「…………行けよ」





「え？」



「よく事情分からないけど、今行か
ないと、あいつと会えなくなるんだろ？」



「何言ってるの……
いいの、そんなの」





ギュウッ…

浩太は私を抱きしめた。





「………もういいよ、結花。

屋上で、あいつといる結花見て思ったんだ。結花、本当に楽しそうにしてた。

それに比べて…俺といても、最近、結花謝ってばかりだし、無理させてるって思った。」





浩太……





「俺…結花のこと、本当に大好きだよ。

だからこそ、結花にはいつも笑っててほしい。

結花が一緒にいるべき相手は俺じゃないんだよ」





浩太…浩太…………

涙が止まらない

次から次へとこぼれる






「……俺からフってあげないと、結花からは言えないみたいだからさ」





体を離して、浩太と見つめ合う。

ツラくて悲しいはずなのに、いつだって私のこと、一番に考えてくれた

優しい人…………





「泣くなって！
…最後まで泣かせてばっかりで、ごめんな」

「…浩太……ごめん………
ごめんなさい……」

「もう謝らないで」

「…………ありがとう」





浩太

いっぱい傷つけてごめんね

いっぱい愛してくれてありがとう

こんな自分勝手な私を好きになってくれてありがとう……





「ほら！早く行けよ！

せっかくフったのに、間に合わなかったら、俺報われないだろ」



浩太はふざけて笑った。



「早く！」



浩太に背中を押されて、私は駅に向かって走り出した。