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♡Hなアパート生活♡

第11章 助けてくれたのは

アパートに着いて、私は陽の部屋に連れて行かれた。




「そこ、座れよ」




陽は鞄をその辺に放ると、ぶっきらぼうに言う。

私は足の力が抜けて、へなへなとそこに座り込んだ。

ブレザーの前をおさえる手が、体がまだ震えている。

さっき起きたことを思い出そうとする気持ちと、思い出したくもない気持ちが入り混じって、頭がぼんやりする。…いまは何も考えられない。




コトッ




机に湯のみが置かれる。



「………これは?」
「は?緑茶。見てわかんないの?」
「……お茶?」




湯のみからは湯気がただよう。

お茶?まさかこいつが淹れたの?
あまりの意外さに湯のみを見つめる。




「なんだよ。毒なんかいれてねえよ」
「…そっ…そうじゃなくて……」



陽は相変わらず睨むような目つきで私をみる。

なんなのよ……

私はそっと湯のみに手をのばす。
……………あったかい……

震えが少しおさまる。

……お茶を飲む。胸のあたりにあたたかいものが広がった。





「………おいしい…」




………………ぽろっ……




ほっとしたとたん、涙がこぼれた。





怖かった、怖かった………





「………っ…ひっく……」





次から次へと涙がでてきて止まらない。

陽は慰めるでも、何を言うでもなく、ただそこいた。




どのくらいそうしていたんだろう。
気付いたら、陽の顔が目の前にある。

…そっと、私の顔に触れる。




ー……えっ?
まさか………

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