
手紙~天国のあなたへ~
第7章 終章・エピローグ
終章・エピローグ
鈍色の低く垂れ込めた空から、またひとひら、ひとひらと白い花びらが降りてくる。
今は冬。一年で最も寒い季節だ。
冬になると、雪の降る日、私はこうして窓を一杯に開けて窓辺に座る。そして、日がな、何をするわけでもなく降りしきる雪を眺めるのだ。
私は心の中で呼びかける。
世子邸下、いいえ、愃さま。
あなたの肉体がこの世から消え去っても、あなたは私の心の中で生き続けています。あなたと過ごした短い日々、一瞬一瞬が私にとっては長い人生の中で唯一、心から幸せだと思える時間でした。
だから、私は泣くのを止めたのです。
そう、あの男(ひと)との想い出が私の中にある限り、彼は私の中で生き続け、想い出は生き生きと輝く。あのひとの笑顔が消えない限り、私は彼と一緒に生きることができる。
鈍色の低く垂れ込めた空から、またひとひら、ひとひらと白い花びらが降りてくる。
今は冬。一年で最も寒い季節だ。
冬になると、雪の降る日、私はこうして窓を一杯に開けて窓辺に座る。そして、日がな、何をするわけでもなく降りしきる雪を眺めるのだ。
私は心の中で呼びかける。
世子邸下、いいえ、愃さま。
あなたの肉体がこの世から消え去っても、あなたは私の心の中で生き続けています。あなたと過ごした短い日々、一瞬一瞬が私にとっては長い人生の中で唯一、心から幸せだと思える時間でした。
だから、私は泣くのを止めたのです。
そう、あの男(ひと)との想い出が私の中にある限り、彼は私の中で生き続け、想い出は生き生きと輝く。あのひとの笑顔が消えない限り、私は彼と一緒に生きることができる。
