
手紙~天国のあなたへ~
第7章 終章・エピローグ
そう告げてやりたいけれど、事実を知ることは息子を脅かしても、幸福にはしないだろう。あの玉牌と息子の出生の真実は留花一人の胸にしまい込み、あの世まで抱えてゆくつもりだ。
愃が無惨な最期を遂げた後になって、その無実が証明された。国王英祖は最後まで身の潔白を主張しながら死んでいった我が子のことが忘れられず、愃に〝思悼(サドウ)世子(セジヤ)〟と追諡した。
愃の名誉が保たれたことは喜ばしいことではあったけれど、今更、立派な名前を与えられ、どれだけの敬意を表されたからといって、それが何になるのだろう? 英祖が亡き息子に贈った名はまさしく愃を悼む心から発したものではあったが、だからといって、愃はもう二度と帰ってこない。
愃が無惨な最期を遂げた後になって、その無実が証明された。国王英祖は最後まで身の潔白を主張しながら死んでいった我が子のことが忘れられず、愃に〝思悼(サドウ)世子(セジヤ)〟と追諡した。
愃の名誉が保たれたことは喜ばしいことではあったけれど、今更、立派な名前を与えられ、どれだけの敬意を表されたからといって、それが何になるのだろう? 英祖が亡き息子に贈った名はまさしく愃を悼む心から発したものではあったが、だからといって、愃はもう二度と帰ってこない。
