
手紙~天国のあなたへ~
第3章 血に濡れた鳳凰
血に濡れた鳳凰
三日降り続いた雪が漸く止んだ早朝、留花は町中の薬屋まで出かけた。むろん、病の祖母の薬を求めるためである。
留花は祖母と共に町外れの一角に住んでいた。近隣は皆、その日暮らしの似たような常民ばかりである。皆、その日一日を暮らしてゆくのがやっとという貧しい人たちばかりではあったが、その分、互いに助け合って暮らしており人情にも厚かった。
留花の住まいは部屋が二つと煮炊きのできる小さな厨房のささやかなものであったし、真冬のこの季節は隙間風が吹き込むほど立てつけも悪かった。
が、寒い間はオンドル(床式暖房)があるので、凍え死ぬ心配はない。
家を出ると、表の細い路地の両側にはうず高く雪が積み上げられており、既に夜明けと共に起き出していた男たちが雪かきをしている真っ最中であった。
三日降り続いた雪が漸く止んだ早朝、留花は町中の薬屋まで出かけた。むろん、病の祖母の薬を求めるためである。
留花は祖母と共に町外れの一角に住んでいた。近隣は皆、その日暮らしの似たような常民ばかりである。皆、その日一日を暮らしてゆくのがやっとという貧しい人たちばかりではあったが、その分、互いに助け合って暮らしており人情にも厚かった。
留花の住まいは部屋が二つと煮炊きのできる小さな厨房のささやかなものであったし、真冬のこの季節は隙間風が吹き込むほど立てつけも悪かった。
が、寒い間はオンドル(床式暖房)があるので、凍え死ぬ心配はない。
家を出ると、表の細い路地の両側にはうず高く雪が積み上げられており、既に夜明けと共に起き出していた男たちが雪かきをしている真っ最中であった。
