
手紙~天国のあなたへ~
第3章 血に濡れた鳳凰
「なるほど」
男は幾度も頷いた。
「そなたのことを訊ねた時、皆がお祖母さまの面倒をよく見る今どき、感心な娘だと申していたが、どうやら真のようだな」
「いいえ」
留花は恥ずかしさに耳まで紅く染まった。この男は何故、自分のことについてそこまで関心を持ち、知りたがるのだろう?
その理由を知りたいような、知りたくないような気持ちがあった。
「私が三つになったばかりの冬、父(アボジ)も母(オモニ)も質の悪い流行風邪で亡くなってしまいました。お婆ちゃんがいなければ、私は身寄りのない孤児になって、とっくに野垂れ死にしていたんです。お婆ちゃんは私にとっては、両親と同じくらい大切な存在だから、ずっとずっと元気で長生きして貰いたい」
「雪に降って欲しくないと願うそなたには申し訳ないが、私は雪が好きだ」
男が唐突に言ったので、留花は少しだけ愕いて眼を見開いた。
男は幾度も頷いた。
「そなたのことを訊ねた時、皆がお祖母さまの面倒をよく見る今どき、感心な娘だと申していたが、どうやら真のようだな」
「いいえ」
留花は恥ずかしさに耳まで紅く染まった。この男は何故、自分のことについてそこまで関心を持ち、知りたがるのだろう?
その理由を知りたいような、知りたくないような気持ちがあった。
「私が三つになったばかりの冬、父(アボジ)も母(オモニ)も質の悪い流行風邪で亡くなってしまいました。お婆ちゃんがいなければ、私は身寄りのない孤児になって、とっくに野垂れ死にしていたんです。お婆ちゃんは私にとっては、両親と同じくらい大切な存在だから、ずっとずっと元気で長生きして貰いたい」
「雪に降って欲しくないと願うそなたには申し訳ないが、私は雪が好きだ」
男が唐突に言ったので、留花は少しだけ愕いて眼を見開いた。
