
手紙~天国のあなたへ~
第3章 血に濡れた鳳凰
「お婆ちゃん、それって―」
香順が皺に埋もれた眼を細める。
「さよう、鳳凰はこの世で最も高貴なる人を象徴する生きもの。つまり、国王さま、もしくは王族、王室に深い縁(ゆかり)を持つ方を意味する」
「では、あの方は王族?」
留花の唇が戦慄く。流石に、そこまでは考えていなかったというのが正直なところだ。
「翼をひろげた鳳凰が大空を飛んでいる」
香順はそこで言葉を途切れさせ、小さく首を振った。
「ただし、その鳳凰は直に心ない狩人に撃ち落とされ、血まみれになる。私が見たのは、それがすべてだ」
「そんな―。では、あの方は誰かに殺される運命にあると?」
香順が皺に埋もれた眼を細める。
「さよう、鳳凰はこの世で最も高貴なる人を象徴する生きもの。つまり、国王さま、もしくは王族、王室に深い縁(ゆかり)を持つ方を意味する」
「では、あの方は王族?」
留花の唇が戦慄く。流石に、そこまでは考えていなかったというのが正直なところだ。
「翼をひろげた鳳凰が大空を飛んでいる」
香順はそこで言葉を途切れさせ、小さく首を振った。
「ただし、その鳳凰は直に心ない狩人に撃ち落とされ、血まみれになる。私が見たのは、それがすべてだ」
「そんな―。では、あの方は誰かに殺される運命にあると?」
