
手紙~天国のあなたへ~
第4章 野辺送り
愃の未来が血にまみれたものであると知らされた時、咄嗟に彼のことを諦めないと思った。それは、もし仮に彼と再会した場合、再び彼と自分を引き合わせた運命の糸を自分自身で絶ち切りはしない―そういう意味であった。もし偶然が彼と自分を再び再会させるのであれば、留花は激動の運命にも歓んで身を躍らせるつもりだった。
だが、恐らくは王族である愃と自分の縁が繋がっているはずがない。つまり、留花と愃との再会の可能性が皆無なのだから、祖母が望むと望まざるに拘わらず、留花は愃を諦めるしかないのだと思い込んでいた。
しかし、運命は再びこの男を留花の許へ導いた。留花はまさにこの時、自分で自らの道を選んだのだともいえた。
だが、恐らくは王族である愃と自分の縁が繋がっているはずがない。つまり、留花と愃との再会の可能性が皆無なのだから、祖母が望むと望まざるに拘わらず、留花は愃を諦めるしかないのだと思い込んでいた。
しかし、運命は再びこの男を留花の許へ導いた。留花はまさにこの時、自分で自らの道を選んだのだともいえた。
