
手紙~天国のあなたへ~
第4章 野辺送り
否。正直に言おう。留花の心は、それでも構わないと叫んでいる。たとえ愃の正体が漢江に棲むという龍神であったとしても、留花の心は変わらない。歓んで龍神の花嫁になるだろう。愃と共にいることで大きな不幸に巻き込まれてしまったとしても、それはそれで良い。
けれど、結婚について留花が最も案じるのは、他ならぬ愃自身のためだった。
「―花? 留花、私の言うことを聞いているのか?」
愃の焦れたような声が耳を打ち、留花はハッと我に返った。
「それはなりません、愃さま。それだけはなりません」
「何故!?」
愃の口調が強くなる。
いつもの沈着な―感情を露わにせぬ彼とは別人のようだ。
「身分が違いすぎます」
けれど、結婚について留花が最も案じるのは、他ならぬ愃自身のためだった。
「―花? 留花、私の言うことを聞いているのか?」
愃の焦れたような声が耳を打ち、留花はハッと我に返った。
「それはなりません、愃さま。それだけはなりません」
「何故!?」
愃の口調が強くなる。
いつもの沈着な―感情を露わにせぬ彼とは別人のようだ。
「身分が違いすぎます」
