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手紙~天国のあなたへ~

第4章 野辺送り

 愃はそんな留花の狼狽を気にする様子もなく、行儀良く食事を続けていた。
 その点は流石に生まれが生まれだけあり、愃の態度や身のこなしは自然体でいながら、洗練されている。
 時々、一人で紅くなったり蒼くなったりしている留花をおかしそうに見つめているところを見ると、留花の狼狽に気づいていないわけではなさそうだ。優しい愃のことだから、黙って知らないふりをしてくれているのかもしれない。

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