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願わくば、いつまでもこのままで

第4章 遊園地デート

つ……疲れた…


「ハァハァ……比奈ちゃん……速すぎ…」

「本当にごめんなさい陽君!!」


そう言って比奈ちゃんは頭を下げてきた。



さっき比奈ちゃんのハイテンションにより

走る比奈ちゃんに手をひかれジェットコースターの列にたどり着き、今並んでいるのだが……




比奈ちゃん速すぎて、正直疲れた…


膝に手をあて肩で呼吸をしていたら

目の前にペットボトルがでてきた。



「ごめんね陽君。お水、飲む?」



心配そうに覗き込む比奈ちゃんの顔に
俺の胸が大きく鳴った。


……可愛い…


「ありがと比奈ちゃん」


渡されたペットボトルを開けて口をつける。

…まぁそれだけ遊園地に喜んでくれてるってことだし、これくらい許してあげよ。

ペットボトルの冷たい水は俺の喉を潤した。








順番になり乗り込み
指示に従った後コースターが動き出した。


ガタンゴトン


1番最初の坂をゆっくり登っていく。

あぁー……高い…

冷たい風が吹くと、いっそうそう感じた。



チラッと隣を見ると

比奈ちゃんはさっきのような少年のようなワクワクした笑顔。





……手……つなぎたいな



拒絶されるかもと思いながらも

こっちを全く見ない比奈ちゃんに
俺は前を向いたまま

レバーを掴んでいた比奈ちゃんの手を
下から滑りこむように無理矢理入れ

手をつないだ。


俺の心臓はうるさい程に鳴っていた。



比奈ちゃんは驚いて俺を見ただろうか。

比奈ちゃんの方を見たいけど、怖くて見れない。



だけど

しばらくしたら

比奈ちゃんは優しく俺の手を握り返してくれた。



…と、ともに


ガタタタタ……


「う、うわぁああああ!!!」

「きゃああああぁぁ」


一気に急降下。




俺は急降下に備えていなく
いきなりの急降下に驚き、なんともまぁ間抜けな声を出してしまった。


一方隣では
ばっちり備えていた比奈ちゃんが楽しそうな叫び声をあげていた。

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