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願わくば、いつまでもこのままで

第4章 遊園地デート


ジェットコースターから降りた比奈ちゃんの顔と俺の顔は正反対だった。


清々しい顔と青ざめた顔と……


「楽しかったねぇ陽君!」

「あー……うん、そうだね…」



俺としてはトラウマになりそうだけどね……



「ねぇ!今のもう1回乗らない?」

「えっあー、えっと……」


チラッと見ると

キラキラした瞳が目の前に……









「きゃあああぁぁ」

「ぅわぁあああぁぁっ」




……それから比奈ちゃんはすっかりジェットコースターにはまり

他のジェットコースターや絶叫系を幾度も乗った。





昼になり、そこら辺のレストランにはいった。


「「いただきます」」


比奈ちゃんはスパゲッティ

俺はパエリアを頼んだ。


食べながら、俺は話しはじめた。


「あのさ、比奈ちゃん」

「どうしたの?」

「……できればでいいんだけどさ、次は絶叫系じゃないのにしない?ジェットコースターとかじゃなくて」

「うん、いいよ。いろんな物やりたいもんね」


そう言って比奈ちゃんはにっこり笑った。

よっしゃ!!!



話を終え俺が食事に集中すると
比奈ちゃんがそれを止めた。


「ちょっと陽君。顔上げて?」

「ん?」


顔を上げると比奈ちゃんの顔と手がすぐそこまできていた。


「えっ比奈ちゃん!?どうしたの!?」

「じっとしてて」


やばっ近……

もうちょっとで唇がつきそうなぐらい顔と顔の距離が縮んだ。

多分、今俺の顔赤くなってる
自分の鼓動がうるさい

比奈ちゃんの手が俺の口元に伸ばされた。


「米粒ついてるから……はい、取れた」


そう言って比奈ちゃんは笑うと

また席に座って食べはじめた。



あー……もうちょっと取れずにいてもよかったのに

でも、こんな速くて大きい心臓の音聞かれたくねぇっ

……でも、実際相手の鼓動って聞こえたりすんのかな?





頭の中で?マークが飛び交いながらも

昼食時間は過ぎていった。


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