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願わくば、いつまでもこのままで

第5章 市民プール


「えーっと……
11時、中央公園
水着と金だけは忘れないように
自転車で、か」


メールを読み直し、携帯を閉じた。



プールへ行く日、現在午前10時半


「よし……行くか」







今日も変わらず猛暑日の中

走る自転車が起こす風を気持ちよく感じていた時

小さなスーパーの前で誰かに呼ばれた。


「あ、陽くーん!」


あれ?この声は……


ブレーキをかけ、振り返ると
案の定そこには比奈ちゃんがいた。


「比奈ちゃん!どうしてこんなとこに?」

「あら、主婦がスーパーで買い物してたらおかしい?」


そう言って比奈ちゃんは意地悪く笑った。


「そうじゃなくて、なんでこんな家から遠いスーパーに来てるの?」

「実はここ安くて評判のスーパーなの!少し遠いけど頑張って歩いて来ちゃった。
陽君は今からどこに行くの?」

「俺?俺は今から大学の友達とプール行くんだけど
……あのさ、比奈ちゃんもよかったら
一緒に行かない?」

「えぇっ私も!?」

「比奈ちゃん、今日これから予定は?」

「ない、けど」

「兄貴は仕事?」

「うん」

「決まりだね。後ろ乗って!途中で水着買っていこ」




比奈ちゃんは慌てながらも自転車に乗り


片手で買い物袋を抑え

もう片方の手をふんわりと俺の腰にまわした。





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