願わくば、いつまでもこのままで
第6章 告白
「……嘘だろ?」
「嘘じゃないよ」
「嘘じゃないって!」
俺は園田を見れず、視線を落とした。
「私の気持ち、信じられないの…?」
「信じられるわけないだろ
そんなそぶり、見せなかったじゃないか」
「じゃあさっきの涙は?」
「……知らねえよ」
「信じてよ……ずっとずっと、好きだったの」
聴こえてくる園田の声が
またも涙混じりになってくる。
自分のせいで泣かしてしまったことが少し申し訳なくて、顔をあげた。
園田は俺がさっき渡したハンカチを手に、またポタポタと涙を落としていく。
「園田……お前、そんな泣き虫だったっけ?」
「うるさいわねぇ……ヒック…
…誰のせいだと思ってんのよ…ック…」
「ああ、ごめんな」
自然に自分の手が園田の涙を拭う。
園田は泣いて歪んだ顔で俺を見ている。
「私今日、あんたの彼女に会って……
…ヒッ……かなわないと思った」
「比奈ちゃん?」
「可愛らしい人で、しっかりした大人の人で……ヒック…」
園田は溢れてくる滴を
腕で拭って無理矢理止めた。
「でも、かなわないって分かったから
せめて気持ちを伝えときたくって」
「……ありがとな、園田」
なぜだか園田が愛しく見えて
頑張って告白してくれたのが嬉しくて
つい彼女の頭を撫でた。
園田は一瞬「え?」と目を丸くした。
けどまた泣きそうな顔をして俺は少し笑ってしまった。
「あ、だけど園田
比奈ちゃんは俺の彼女じゃないんだよ」
「……は?」