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「……今、なんて言った？」


園田の涙目が消え顔つきが徐々に険しくなる。

俺はそれを見て冷や汗を垂らした。


「だから、嘘ついてて悪かったけど
比奈ちゃんは本当は俺の彼女じゃないんだよ
……って、園田…さん？」



園田はいつのまにか俯き
暗くて表情がよくわからない。

俺が心配して覗き込んでみた、そのとき…


ドゴッ


「っ！」


握り締められた拳が俺の頬に思いきり殴った。

思わず手を頬に当てる。


「園田、てめっ……」



俺は園田の腕をぐいっと引っ張りひきよせた。


「……なんで殴った方が泣きそうになってんだよ」


「こんなことで……泣かないわよ…」


園田は片腕で大雑把に涙を拭う。


「泣き虫園田」


「なっ……あんたが酷いんじゃない！
なに嘘ついて紹介してんのよ
あたしが今日それで、どんだけ傷ついたと思ってんのよ！！馬鹿野郎！」


感情任せに放られた言葉からは
園田の感情がよく伝わってくる。

それを思うと悲しくて自分にむかついて、どうしようもなくなった。

「だからっ……もう泣くなよ園田！」




好きなわけじゃない。


けどどうすればいいかわからなくて

俺のせいで泣いてしまった彼女に申し訳なくて

つい
抱きしめた。