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願わくば、いつまでもこのままで

第6章 告白

驚いた園田は少し拒んだけど、

俺が抱きしめる力を強めると
おとなしくなった。


「……」


「……」



服を挟んで園田の体温を感じる。


なんだか、気持ちいいな



「園田……本当にごめんな」


「もう、いいんだよ」


「ごめん」




もっと早く

俺が気づいてあげればよかったのかな



「……泉はさ」


「ん?」


「神崎さんが好きなんだよね」


「え……?」


「泉、わかりやす過ぎ」


クスッと園田が笑う。


「そんな俺わかりやすいか?」


つられて俺もちょっと笑った。

やっと園田が笑ったからさ


「私、まだしばらく泉のこと好きだと思う。でも、泉の恋を応援してるからね」


「……ありがとな」



園田が「もういい」と俺のまわした腕を解き離れた。



俺は園田美恵という女を実はあまり知らなかったらしい

今日ようやく知れた
そう思った


「じゃあ泉、今日はありがとう」


「俺こそありがとう
じゃあ、またな
……これからも友人として一緒にいるよな?」


「当たり前でしょ!」


ちょっと怒ったように
でも笑って言ってくれて俺は心底安心した。



園田と別れ腕時計を見た。

いつのまに大分時間が経っている。

俺は比奈ちゃんを待たせていることを思い出し、焦ってすぐに駆け出した。


もしかしたら
もう、帰ってしまっただろうか





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