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願わくば、いつまでもこのままで

第6章 告白



公園から出て行くとき、いきなり走り出した足音と何かの物音が聴こえた。


その方向に見えたのは誰かの後ろ姿。



こんなこと考えたくはないけれど……

さっきまでの、聴かれていたりはしないよな?



でもさっきの物音は俺から逃げ出したようにも聴こえる。



「……」


俺は気になってその後ろ姿を追い始めた。




どんどん近づく後ろ姿。


スカートを履いていることから女性だとわかり

見覚えのある後ろ姿だとわかると
俺は踵を返し、自分の自転車を取りに戻った。



俺は視力は悪い方だから
結局誰なのかはちゃんと確認できなかった。

というより、したくなかった。



俺は独り、トボトボと自転車を引いて道を歩く。




自分にとって他と違う特別な存在

そういう人は多少距離があってもなんとなく動きと服装と体つきとでわかるんだよ

俺にとっては君がそう

今確認したくない
今聞いたって、疑問だらけでまともな話をできるかどうか

特別だから
好きだから
わかるんだよ


比奈ちゃん

君は聴いていたの?

俺と園田の話を…


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