願わくば、いつまでもこのままで
第7章 キスしたい
ずっと何かに集中して、頭に想像する暇を与えたくなかった。
でも特に趣味のない私は、家事をこなしたら何もやることがない。
リビングでテレビを観ながらゴロゴロする。
でも興味のないバラエティに集中なんかできなくて、気づけばあの日のことが頭を巡っていた。
「はあ…」
さっさと忘れてしまえばいい自分。
でもできなくて、最近の私は珍しく苛々している。
それに気づいた和君に
「比奈、なんかあったのか?」
と、この前心配させてしまった。
私も趣味ぐらい、あればよかったな
寝てしまおうかとも思ったが、
結局、高校時代に趣味としていた読書をするがべく、私は独り図書館へ向かった。