願わくば、いつまでもこのままで
第7章 キスしたい
呆然と立ち尽くす私。
ハッと我に帰ると、恐る恐る陽君の隣に座った。
まずは座ってこの胸を落ち着かせたかった。
「スーッハァ…」
深呼吸をし、1度眼を閉じまた開けた。
そして隣の陽君を見る。
相変わらず起きる気配はない。
私は壊れてしまうのではと思い、かけてあった陽君のメガネを外した。
見慣れた彼の顔に変わる。
それでも寝息を立てた寝顔を不覚にも可愛いと思ってしまった。
キュンッ
って、違うでしょ!私!
思わず自分へのため息が出た。
「……それにしても、よく会うなぁ」
プールの日もスーパーの前で会って
今日もこうして図書館で会って
タイミングが良いのか悪いのか、困るなあ
垂れてきた陽君の前髪を耳にかける。
最近の私は陽君に振り回されてばっかりだ
それが悔しく悪戯してやりたくなり
陽君の鼻や頬や耳やら髪やらを
適当に指で弄くりまわした。