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籠の中のお姫様

第3章 縮まらない距離

「あの、そういえば、どうやって働けばいいんですか?」

「どうやってって?」

「働くって、何するんですか?」


「はあ!?」


「クレハちゃん、今まで働いたことない?」

「はい」

「お前今までどんな生活してきたの?
もしかして金持ちとか?」

鋭い…

「違う。全っ然違います」

「ふ~ん、まあいいけど」

「…でも、そっか。分かんないんだったら、教えないと。まずは誰かに雇ってもらわないとだめだね。」


「アキラさんたちは働いてるんですか?」


「うん。アンジュも働いてるよ」

「え、アンジュちゃんも!?」

こんな小さい子も毎日働いてるんだ…

大変なんだな…。

「じゃあ、僕たちが働いてるところで雇ってくれるか聞いてみるよ」


「ありがとうございます」


「今日はもう仕事に行かなくちゃいけないけど、クレハちゃんどうする?」

「何がですか?」


「家に一人になっちゃうから…」

「あっ…」

さすがに、赤の他人を家に一人になんてできないよね


「やることがなかったら、見学してみる?」


「見学、していいんですか?」


「いいよ。」

「行きたいです」


「うん。じゃあもうすぐ出かけるから準備しておいで」


「はい」


準備って、何すればいいんだろう…

それに、働くって何すればいいんだろう。

聞きたかったけど、また睨まれそうだったからやめた。

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