籠の中のお姫様
第3章 縮まらない距離
ちょっと奥に行って、椅子に座った。
「んーと、クレハであってるよね?」
「はい」
「なんで働きたいの?」
なんでって…
「・・・お金が、欲しいからです」
「お、ストレートに言うね。なんで?」
「私、行くとこがなくて、アキラさんに泊めてもらってて…。でも、それだと、負担をかけちゃうから、私も働いて、少しでも恩返しをと思って・」
「うんうん。そっか~。よし、合格!!んじゃ仕事の説明するね。」
今のでよかったのかな?
ちょっと変わってる人だな…。
「うちはね~、配達やってるの。家で育てて、新鮮なうちに配達する。
それが主な仕事。できる?」
「はい!」
「たまに店に立ってもらうこともあるけど、まあ、細かいことは気にしないでいいよ」
「はあ。ありがとうございます」
「わからないことがあったらアキラ君に聞きな」
「はい」
「よし。頑張んな!」
これで、正式にここで働けるんだ。
よかった。