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籠の中のお姫様

第3章 縮まらない距離

「さてと、見学って言ってもやることないよ?」


「そうなの?」


「見るのもなんだし。ちょっとやってみる?」

「何を?」

「配達」


「え、もうやっちゃっていいの?」

「いいよ。うちもついてくから」

なれたように、机の上にある紙を破くと、ついてきてといって店の外に出た。

「ここに書かれたとこに運ぶから、ここのって」

「これって…何?」

「は?バイクも知らないの?」

バイク…?

私の国でこんなの見たことない…

「ほら、早く。危ないからしっかりつかまっててね!!」

すごい速さで走って、あっという間に目的地に着いた。

「ここ!ほら、これ渡して」

「渡してって、誰に?」

「ここの家の人、配達にきましたーって」

「は、はいたつに来ましたー」

シーン

へんじがない!?

「すみませーん。誰かいませんか―?」

「はいはーい!」

家の中からはおじいさんが出てきた。

「あー、いつもありがとねー。君新しい子?」

「はい」

「そう、頑張ってね」

「ありがとうございます!」

食べ物とお金を好感して、

おじいさんはにこにこしながら家に戻っていった。

「よしっ。まず一人はできたな」

「これでいいの?」

「うん、簡単だろ。あと20件はあるから。今の調子でいけばすぐ終わるよ」

「ほら、次んとこ行くよ!!」

「うんっ!!」

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