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籠の中のお姫様

第3章 縮まらない距離

「やっと終わった~!!
どう?初めての仕事は」

「つかれた…。けど、楽しかった」


「よかった!もうこれで終わりだけど、このまま家に帰るの?」

「あ。待ってなきゃいけない人たちがいて…」

「誰?ここで働いてる人?」


「うん、アキラっていう…」


「キノー!!」

「あ、ヤバッ!呼んでるから行くわ。また明日ね」


「うん、また明日」

手を振りながらキノは走っていった。

「何ボーっとしてんだよ」

「レオっ…」

「さっきのキノだろ?仲良くなったの?」


「はい。今日、手伝ってもらって」

「ふーん」

「レオはキノと知り合いなんですか?」


「幼馴染」

「そうなんだ…」

幼馴染…。

私にはいない、昔何度か遊んだ子はいるけど、顔も思い出せない。


「つか、なんで敬語なの?」

「え、なんでって…なんとなく」


「同い年なのに敬語とか変だろ!普通でいい」

「わ、分かった」

「よし、じゃあ行くぞっ!!」


急にレオが走り出した。

「あ、待ってっ…」

〈バタッ〉

地面にあった石につまずき、勢いよく、地面にたおれた

「何転んでんだよ。」

「ごめっ」
「ほら、早くいくぞ」
そういって、レオは手を差し伸べてくれた。

でも、その手をつかむことはできなかった

ゆっくり手をひっこめ、また早足で歩きだしたレオの後ろを、

私はあわてて追いかけていった


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