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籠の中のお姫様

第3章 縮まらない距離

「…クレハっ!クレハっ!!」


目を開けると、目の前にレオの顔があった。


「えっ!?どうしたの?…」


「どうしたのじゃねえよ、お前寝すぎ。もう朝だぞ」

「え、もう!?」


「よっぽど疲れてたんだな。ちょっとうなされてるっぽかったけど大丈夫か?」

「平気、もうみんな起きてるの?」


「とっくにな。朝ご飯食べるか?」

「うん、もらう」


「できたら呼ぶから」

「ありがと」


そういってレオは出て行った。



一人になって、なんだかさみしくなった。


久しぶりにあの夢を見たからだろうか。

好きなものを奪われて、何もなくなったあの日から、

私は自分を失った。

感情が出せなくなって、私から表情が消えた。

それに、毎日びっしりのスケジュールで、あまりゆっくりできていなかったから、こんなに眠ったのは久しぶりだった。

「なんか、頭すっきりしてるな」

ベットから起き上がると、着替えてリビングに向かった。

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