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籠の中のお姫様

第3章 縮まらない距離


〈ガチャっ〉

ドアを開けるとレオとアキラさんが椅子に座って話をしていた。

「またかよ、聞いてねえぞ」


「とにかく決まったことだから」


喧嘩かな?

「あの…」

「あっ、クレハちゃんおはよう」


「おはようございます」


「できたら呼ぶっつったのに、気持ち悪いのか?」


「あ、全然。やることないから行こうと思って」


「…ちょうどいいや、クレハちゃんにも言っとくね。
仕事の関係で、今日から一週間家を空けることになりました」

「どういうことですか?」

「違う国に行くってこと」

「え!?」

ほかの国って、アイナにも…?

「父さんだけな」

「あっ、アキラさんだけ…」

よかった、みんなかと思った。


「で、僕がいない1週間はミサオさんに頼んどいたから」


「またあのババアかよ」

「なんだよ、さんざん世話になってきただろ?」


「ま、そういうことでもう行かなきゃいけないから」

「もうですか?」

「うん。二人ともアンジュのことよろしくね、仲よくしてるんだよ?」


「わかってるよ」

「じゃあ、行ってます」

「「行ってらっしゃい」」


アキラさん行っちゃった…

一週間も返ってこないんだなー


レオもアンジュちゃんも悲しいだろうな。


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