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籠の中のお姫様

第3章 縮まらない距離

ん?

そういえばさっきからアンジュちゃんがいない


「アンジュちゃんは?」


「外で遊んでる」

「誰と?」

「は?誰とって、友達しかいないだろ」

「そっか」


友達…。

そういえばレオとキノも幼馴染って言ってたな。


私だけ。。


「はいっ」

「え?」

「ご飯、まだ食べてねえだろ?」


「ありがと」


「俺、部屋にいるから」


「うん」


「クレハ、昼から仕事だから準備しとけよ!!」


「うん」

一人で食べるご飯は、寂しかった。

窓から入ってくる音と、自分の食器を動かす音だけが、部屋に響いた。

まるで、あの日々の戻ったみたいだった


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